からだの話 第5回|肩(腕)を上げると痛い―肩周りのアウターマッスルとインナーマッスルの関係―
肩(腕)を上げると痛い。
こうした症状があると、
「肩の関節が悪くなったのでは?」
と考えて来院される方が多くいらっしゃいます。
もちろん、肩関節そのものや、筋肉、腱などに問題がある場合もあります。
しかし実際に身体を触ってみると、痛みを感じている肩だけではなく、肩甲骨のまわりや背中の筋肉が非常に硬くなっていることがあります。
今回来院された方も、肩の外側にある大結節付近に痛みがあり、特に、
「腕を上げようとする、その最初の動きが痛い」
という状態でした。
肩だけではなく肩甲骨や背中まで確認してみると、肩甲骨の上部や外側、その周辺の筋肉に強い硬さがみられました。
では、なぜ背中や肩甲骨まわりの硬さが、肩の痛みにつながるのでしょうか?
その前に、先ほど話にふれた
「大結節」ってどこ?
の話をいたします。
大結節(だいけっせつ)は、腕の骨(上腕骨)の肩に近いところにある出っ張った部分です。
ここには、肩の奥にある3つの筋肉から続く腱が付着しています。
そのため大結節付近に痛みがあるときは、骨だけではなく、そこにつながる筋肉や腱の状態も大切になります。

ここでタイトルにある本題に戻ります。
表面の筋肉と、奥の筋肉(アウターマッスルとインナーマッスルの関係)
肩や背中の表面には、
僧帽筋・三角筋・広背筋・大胸筋・大円筋
など、大きな動きをする「アウターマッスル」があります。
そして、その奥には肩関節を安定させながら細かな動きを支える「インナーマッスル」があります。
肩のインナーマッスルは、
棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋
の4つ。
この4つをまとめて、専門的には「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」と呼びます。
名前を覚える必要はありません😊
大切なのは、表面の大きな筋肉と、奥で肩を支える小さな筋肉が協力して腕を動かしているということです。
肩甲骨が動くことも大切です。
腕を上げるときは、腕だけではなく肩甲骨も一緒に動きます。
ところが肩や背中のアウターマッスルが強く緊張すると、肩甲骨の動きが小さくなることがあります。
すると肩の奥で関節を支えているインナーマッスルに、いつも以上の負担がかかることがあります。
その負担が続けば、筋肉から続く腱や、腱が骨に付着する大結節・小結節付近にも負担がかかることがあります。
今回のように「腕を上げ始めると痛い」という場合も、痛む場所だけでなく、肩甲骨や背中まで確認することが大切だと考えています。
肩の痛みを「つながり」で考える
「簡単にまとめると、
下の図のような一つの流れが考えられます。」

もちろん、すべての肩の痛みがこの流れで起こるわけではありません。
だからこそ、
「痛いところだけを見るのではなく、なぜそこに負担がかかっているのかを見る」
ことが大切です。
肩、肩甲骨、背中、そしてその奥にある筋肉。
身体を部分ではなく、「つながり」として見る。
これも、指圧整体いこいが施術で大切にしている考え方の一つです。
初回掲載:2026年9月8日
指圧整体いこい



