からだの話 第7回|骨盤の奥が硬い?―腰・股関節・太ももにつながる筋肉―
腰や股関節に違和感があると、
「腰が悪いのかな?」「股関節が硬くなっているのかな?」
と、痛みを感じる場所そのものに原因があるように思ってしまいます。
ところが施術をしていると、腰や股関節に不調のある方に、骨盤の内側から太ももの付け根にかけて強い硬さを感じることがあります。
このあたりには、いったいどんな筋肉があるのでしょうか。
骨盤の内側にある「腸骨筋」
骨盤の内側には、腸骨筋(ちょうこつきん)という筋肉があります。
腸骨筋は、骨盤の内側にある大きなくぼみに広がる筋肉です。
その近くには、腰椎から下へ伸びてくる大腰筋(だいようきん)もあります。
どちらも太ももを持ち上げる動きに深く関係していて、歩く、階段を上る、自転車をこぐなど、普段の生活でもよく使われています。
骨盤の前側は、筋肉が集まる場所
骨盤の前側には、腸骨筋だけでなく、太ももへつながるさまざまな筋肉が集まっています。
大腿直筋(だいたいちょっきん)・縫工筋(ほうこうきん)・大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)(TFL)などです。
大腿直筋は大腿四頭筋の一つで、股関節と膝の両方の動きに関係します。
縫工筋は骨盤の前から太ももを斜めに走る細長い筋肉。
そして大腿筋膜張筋(TFL)は骨盤の前外側から始まり、腸脛靱帯(ちょうけいじんたい)(ITバンド)へとつながっています。

図:骨盤内と股関節まわりの主な筋肉と大腿四頭筋
図を見ると、骨盤の内側から太ももまで、たくさんの筋肉が連続していることが分かります。
「骨盤の前が硬い」といっても場所はさまざま
このあたりは筋肉同士が近いため、触ってみると、
「これは腸骨筋?」「大腿直筋?」「それとも大腿筋膜張筋?」
と分かりにくい場所でもあります。
目安になるのが、骨盤前面にある骨の出っ張りです。
ASIS(上前腸骨棘)の周辺には、縫工筋や大腿筋膜張筋があります。
そこから少し下にあるAIIS(下前腸骨棘)付近からは、大腿直筋が始まります。
そして、骨盤の内側の深いところには腸骨筋があります。
同じ「股関節の前が張る」という感覚でも、実際にはいくつかの筋肉が関係している可能性があるんですね。

図(骨盤前側)
痛いところだけを見ない
例えば、股関節や膝に痛みがあったとしても、その場所だけが硬くなっているとは限りません。
骨盤の内側や前側、太ももの前側・外側など、周辺の筋肉が硬くなり、身体の動きに影響していることもあります。
そのため「指圧整体いこい」では、痛みのある場所だけではなく、骨盤から股関節、太ももにかけての筋肉の状態を確認しながら、身体全体のバランスを見ていきます。
身体は、一つひとつの筋肉が別々に働いているわけではありません。
骨盤から股関節、そして太ももへ。
筋肉のつながりを見ていくことも、身体の状態を知る大切な手がかりになります。
初回掲載:2026年9月26日
指圧整体いこい



